スタッフサービス・エンジニアリング様向け

AIエージェント・RAG

配布した業務手順書を覚えさせた「業務アシスタント」を Gemini の上に作ります。同じ資料を Gemini Notebook(旧 NotebookLM) にも入れて回答を見比べ、どちらを使うべきかを自分で判断できるところまで進めます。

2026年9月17日(木) 全 [120min] 全社対象(生成AIの基本操作ができる方) オンライン(ZOOM)
Givery, Inc.
Q&A

いただいたご質問と回答

9月17日の研修中に ZOOM のチャットでいただいたご質問にお答えします。分類を選んで、読みたい質問を開いてください。

会社のルールで生成AIは Microsoft 365 Copilot しか使えず、現場ではチャットしか使っていません。エージェント機能も使いたいのですが、こういった現場ではどう活用するのがよいですか

ルールの中で使える機能は、チャット以外にも意外とあると思います。まずは次の順番で進めるのがよいと考えています。

  • いま使える機能を確かめる。Copilot Chat のライセンスだけでも、指示文を持たせたエージェントや、ウェブの情報で答えるエージェントは追加料金なしで作れます。本日の Gem と同じ考え方で、毎回貼っている指示文をエージェントにしておくだけでも手間は減ると思います。
  • 調べる。個人の時間でかまわないので、Copilot Studio や Power Automate の公式ドキュメントと活用事例を見てみてください。Copilot に「自分の業務はこういう内容です。Microsoft 365 Copilot や Copilot Studio を使った活用事例を探してください」と聞いてみるのも手です。
  • やりたいことが見つかったら、必要な道具と環境を調べる。社内の SharePoint の資料を読ませるエージェントは、管理者が従量課金を有効にする必要があります。部署で共有する本格的なエージェントや、承認フローのような多段の自動化は Copilot Studio 本体の機能です。
  • コストと削減できる時間を並べて、上司に相談する。「このエージェントで、月にこれくらいの時間が減る。必要なのはこのライセンスと、この設定」と、数字で持っていくと話が通りやすいと思います。

いきなり大きな仕組みを申請するより、まず自分の仕事で1つ小さく作って、どれくらい時間が減ったかを見せるほうが、次の許可も取りやすいと考えています。

出典 Microsoft Learn「Microsoft 365 Copilot のエージェント」Microsoft Learn「エージェントの利用料金の考え方」Microsoft Learn「Copilot Studio とエージェントビルダーの違い」
Copilot でも NotebookLM のような RAG は使えますか。SharePoint エージェントは Notebook の代わりになりますか

2つのご質問をまとめてお答えします。当日お答えしたとおり、Gemini Notebook とまったく同じ機能は Microsoft 365 にはありませんが、OneDrive や SharePoint をうまく使えば、似たものは作れると考えています。

  • SharePoint エージェントは、チャットでもお答えしたとおり、おおむね代わりになると思います。SharePoint のサイトやフォルダに資料を置いておき、その中身をもとに答えさせる、という使い方が Notebook の考え方に近いです。
  • Copilot Notebooks という機能もあります。参照したいファイルを集めて、その中身だけを根拠に答えさせる作業スペースで、機能としては Notebook にかなり近いと思います。Copilot Chat のライセンスでも機能を絞って使えますが、作成には OneDrive か SharePoint が要ります。

どちらも、会社の Microsoft 365 の契約と管理者の設定によって、使えるかどうかと、組織のデータを読ませられるかが変わります。使えない場合は、社内の情報システムの窓口に確認してみてください。

出典 Microsoft サポート「Microsoft 365 Copilot Notebooks に関するよくある質問」Microsoft Learn「エージェントの利用料金の考え方」
配属先で、SharePoint をナレッジにして Copilot Studio で社内チャットボットを作ることを期待されています。E資格や AI実装検定など、必要な資格はありますか(生成AIパスポートと G検定は取得済みです)

生成AIパスポートと G検定を取得されているのは、とても心強いです。そのうえで、作ろうとしているものに一番直結するのは、Microsoft の認定資格だと思います。

  • AB-620(AI Agent Builder Associate)。Copilot Studio でエージェントを作り、ナレッジやツール、コネクタを扱う力を問う試験で、まさに今回のお仕事の内容です。日本語で受験できます。
  • PL-900(Power Platform Fundamentals)。Power Platform 全体の入門で、Copilot Studio のエージェントも範囲に入っています。先にこちらで全体像をつかむのもよいと思います。

以前定番だった PL-200 は2026年8月31日に廃止されているので、古い記事の情報には気をつけてください。

E資格と AI実装検定は、ディープラーニングの理論や数学、Python での実装が中心です。AI の中身を理解する土台にはなりますが、Copilot Studio のようなローコードでボットを組む仕事とは少し距離があると考えています。いまのお仕事に合わせるなら、Microsoft の資格を優先するのがよいと思います。

出典 Microsoft Learn「AI Agent Builder Associate(AB-620)」Microsoft Learn「Power Platform Fundamentals(PL-900)」JDLA「E資格」AI実装検定
業務は Copilot で HTML/CSS を書いています。AIにはルールと md とプロンプトを渡していますが、このやり方で間違いないですか

よいやり方だと思います。ルールと Markdown とプロンプトの3つを渡せているのは、本日の話でいうコンテキストをきちんと渡せている状態です。

足すとしたら、決まった手順です。「このスクリプトを使って、この順番で動いて、この成果物を目指す」といった手順を、プロンプトの中ではなくファイルとして持っておくと、毎回同じ品質で進めやすくなります。

そのうえで、プロンプトだけではどうにもならない作業が出てきたら、次の段階は Claude Code でいう「スキル」のような考え方だと思います。手順書とスクリプトと参考資料をひとまとめにして、道具を使った複雑な手順を AI がそのまま再現できるようにするものです。お使いの Copilot が GitHub Copilot であれば、リポジトリに置く指示ファイルやプロンプトファイルといった近い仕組みがあるので、使えるか確かめてみてください。

ベテラン社員の業務知識を取り込むのに、よい案はありますか

社長や役員、ベテラン社員の頭の中にある属人化した知識を抜き出して、その人の「クローン」のような AI を作る取り組みは、世の中で実際に増えています。「AI クローン」「社員クローン」といった言葉で事例を探すと、参考になるものが見つかると思います。

知識の集め方は、大きく2つあると考えています。

  • 聞き取る。誰かが率先して、その方がどう仕事を進めているか、どう判断しているか、どんな道具を使っているかを、張り付いてインタビューします。録音して文字起こしし、AI に整理させると負担が減ります。
  • 記録する。その方のパソコン上の操作や、書いた文書、やり取りを集めて、手順や判断の癖を取り出します。監視のように受け取られやすいので、本人の了解と、何に使うかの説明が前提になります。

いきなり全部を取り込もうとせず、よく聞かれる質問10個とその答え、のように小さく始めるのがよいと思います。

当日に口頭やチャットでお答えした内容も、あらためて文章にしています。お名前は伏せ、似たご質問はまとめています。サービスの仕様と規約は2026年9月17日時点で確認したもので、変わることがあります。

01

本日の成果物と当日の流れ

ブラウザの Gemini に、自分の仕事に合わせたアシスタントを1つ作ります。インストールするものはありません。

作成した業務アシスタントに月次報告のまとめ方を質問して回答が返っている画面
手順書を覚えさせたアシスタントに、いつもの仕事を頼んでいます。様式や書き方の決まりを毎回説明しなくても、決めた形で返ってきます。

つくるもの

01

役割と出力の形を決める

「誰として答えるか」と「どの形で出すか」をアシスタント側に持たせます。毎回同じ前置きを打ち直す手間がなくなり、人が変わっても出力が揃います。

02

手元の資料を覚えさせる

手順書や様式を知識として渡します。資料に書いてある決まりに沿って答えるようになり、思いつきで書かれた答えが減ります。

03

Gemini Notebook と見比べる

同じ資料を Gemini Notebook にも入れて、同じ質問を投げます。出典が要る仕事はどちらに向くのかを、実際の回答を見て判断します。

04

直しどころを見つける

思ったとおりに答えないときに、質問の側を直すのか設定の側を直すのかを切り分けます。ここが分かると、他の仕事にも同じ手が使えます。

持ち帰るもの

研修のあとに手元に残るもの 自分の Gemini アカウントに残る業務アシスタントと、そこに書いた設定文が持ち帰るものです。あわせて、資料を覚えさせる方式(RAG)と、まとめて置いて引く方式(社内Wiki や Gemini Notebook)のどちらを選ぶかの判断基準を手元に残します。演習が終わったあとの発展課題では、配布したスキルシートの記入例から自己PRを書かせます。
Notebook プチ演習 ウェブで集めて 箇条書きにする 1 Gemini Canvas デモ 配れる1枚に 整えて配る 2 Gem 演習1 手順書を覚えさせ 下書きさせる 3 Notebook 演習2 同じ質問で 出典を確かめる 4 自分の仕事 持ち帰り 自分の仕事は どちら向きか決める 5 設定画面や書式の指定は出てきません。日本語の指示だけで道具を渡り歩きます。
当日は5つの段を順に進みます。道具は3つ、書く命令は全部日本語です。

当日の流れ

セッション内容形式時間
S01オリエンテーション講義[10min]
S02RAG・社内Wiki・Gemini Notebookの違い講義[20min]
S032つの道具の画面と基本操作ハンズオン[15min]
S04調べてまとめさせるプチ演習ハンズオン[15min]
S05ノートブックからGeminiへ渡すデモ講義[10min]
S06業務アシスタント作成ハンズオン[30min]
S07同じ質問をNotebookにも投げるハンズオン[10min]
S08質疑応答・閉会講義[10min]

合計 [120min]。開始時刻は当日のご案内をご確認ください。

02

事前セットアップ

開催日までに、次の準備をお願いします。手順は事前セットアップガイドに画面つきで書いています。

  • 1Google アカウントお手持ちの個人用アカウントで問題ありません
  • 2Gemini(ブラウザ版)無料の範囲で使います。ログインできる状態にしてください
  • 3Gemini Notebook同じ Google アカウントでログインできる状態にしてください
  • 4配布物のダウンロードと展開お使いのパソコンに合う方の ZIP を展開しておいてください
03

配布物

当日使う一式を ZIP にまとめてあります。中身は同じで、日本語のファイル名の入れ方だけが Windows 用と Mac 用で違います。

文字化けさせないために Windows の方は赤いボタン、Mac の方は「Mac をお使いの方はこちら」からダウンロードしてください。逆を取ると、展開したときに日本語のファイル名が読めない文字に変わります。直し方は事前セットアップガイドに書いています。
フォルダ入っているもの
00_コピペ用/当日使う指示文と質問。チャットを見失ったときにここからコピーします
01_業務手順書/月次報告書の作成手順、フォーマット、記入見本、提出前チェックリスト、差し戻し事例集。演習1と演習2で使います
02_問い合わせ記録/6月と7月の問い合わせログ(CSV)と、ポータルに載っている FAQ。FAQ の抜けを探す発展課題で使います
03_議事録メモ/定例会の走り書きメモ、議事録フォーマット、前回の議事録。清書と照合の発展課題で使います
04_スキルシート/記入例、自己PRの書き方ルール、自己PR見本、案件募集票。案件に合わせた自己PRの発展課題で使います
05_6月の稼働素材/作業メモと勤怠記録。演習1で6月分の月次報告を下書きさせる素材です
06_社内規程/生成AI利用ガイドライン。AI に入れてよい情報を確かめます
README.md中身の一覧、演習ごとのファイルの組み合わせ、ファイル名が文字化けしたときの直し方
04

座学スライド

当日投影する資料です。生成AIの現在地、本日の講義パート、Gemini の最新動向までを1本にまとめています。研修のあとの復習にも使えます。

内容は2026年9月時点の公式ドキュメントに基づいています。開催までに変わることがあります。当日は画面の表示を優先してください。

05

ハンズオンの進め方

2つの道具の画面と使い分けから始めて、ウェブで調べてまとめる、業務アシスタントを作る、同じ質問をNotebookにも投げる、まで進みます。演習ごとに、使うファイルと、できたと判断する基準を書いています。

06

用語集

説明の中で出てくる言葉を、意味と使う場面のセットでまとめています。当日その場で引いてください。